まとめの章から面白いなぁと思ったところだけメモ
茶の湯で鑑賞対象になっている茶碗、釈薬や火まわりのムラや貫入、茶室に使用する廃材など
(自然の現象によってできた形、景色と呼ぶ)はカオスやフラクタル系そのもの。
近代建築の形のあゆみ
- 「モダニズム」(モダニズム建築 - Wikipedia)
ミースファンデルローエ
ル・コルビジェ
「形態は機能に従う」
機能主義
立方体をユニットとして扱う
ガラスと鉄の箱(ガラス張りの高層ビル群) - 「ポストモダニズム」 東京都庁など。ファサードに装飾を取り入れる動き
- 1925~アールデコ
- 1930半ば~ストリームラインの流行
- 脱構築主義(否定形の希求が見られる 京都駅のファサード、など)
機能美+造形美 + 心理的付加価値 曖昧さの科学 フィジー理論(ファジィ論理 - Wikipedia)
コンピュータグラフィクス
作者が頭で思い描いた形を再現することもできるが
少しのパラメータの差で生じる全く予想つかないような数学的な形を計算させて出力することもできる
「なにか新しい感覚をつかめるのではないかというハッピーミステイクを期待して黙々と制作にはげむ」
自然が作り出す形が美しいのは 長い年月をかけて改良されて結果的に機能的な形になったから。
もっと自然の形から学べることがあるのでは?
自然の形が形の美しさの原点
* 自然の法則に準拠した機能美
* 無駄がなくなめらかなオーガニック形体
* フラクタル性のある形は自己同一性による黄金比のもつ美しさを内包している
* セルオートマトンによるリズムのあるパターンが見られる
全体的にかなり面白い本だった!
今までグラッフィックかなにかの授業で散々黄金比、白銀比など意識した構成を、と言われていたり
また染めの最初のほうの講義で原始の模様についても学んだはず...。でもそれぞれが独立した考え方だとおもっていた。
原始模様、美術の長い間主流だった写実主義から
工業化を経て生産性のある形体、装飾の排除された形体(キュビズム)への流れ
そしてまた装飾が強くなって、また削ぎ落とされて、丸みのあるデザイン→キュービックなデザインの流行が繰り返しおこって、
いままでは偶発的だと思われていた形に秩序があることがわかってきた
という大まかな流れをつかむことができて(そして原始模様〜カオス系まで連続したものだと捉え直すことができて)
だいぶ頭の中がすっきりしました。
抽象表現主義はフラクタル系と似通った性質を持っていることもしっくりきたし、 このあいだ展示で見てきたフランクの建築はその流れの先にあったのがわかった。
ちょうど今the nature of code をやっていてカオスとか複雑系とかがなんなのかわからなかったので
コードを書いて理解することだけでは補えなかった、背景を含んだ概念的な部分を触ることができてよかった。
幸い今は簡単に偶発性のある形を作り出すことができることだし、
「なにか新しい感覚をつかめるのではないかというハッピーミステイクを期待して黙々と制作にはげむ」ことにいつかわたしも取り組みたいなぁ。
よいほんでした。
- 作者: 三井秀樹
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